Q.脱世間起業したいけれど家族に話をする過程であきらめてしまいます

(みくろんさん、20代、男性)

人間関係に疲れてしまい、いつか脱世間起業の様な極力1人でやれる仕事を考えています。

とはいえ家族に黙ってやるわけにもいきませんし言わなければならないのですが、昔からこういう話し合いになると猛烈な批判が怖くて言葉が出てこず、相手が批判してこればカッとなり我を忘れて相手を(言葉で)傷つけてしまいます。

昔から1人でできる仕事を夢見てきましたが、上記の事が怖くて「家族に話をする」という過程で諦めてしまいます。

家族は毒親というほどでもありませんが、私の生きづらい悩みは理解してくれないと思います。コラムでおっしゃっていた「書き合い」も、後のことを考えると怖くて始められません。どうすれば前に進めるでしょうか。

A.

みくろんさん、ご質問をいただきましてありがとうございます。

しのぶです。

人間関係に疲れてしまい、一人で仕事をしたい。

でもご家族との対話も難しく、じっさいにははじめられない。

根の深い問題ですよね。

かなりしんどい状況かとお察しします。

どちらにも進めず追い詰められてしまいますよね。

まさに「人生の袋小路」にはまっておられるような苦しみではないかと思います。

その上で、今からするお話は、あくまでもいただいた内容から推察できる私の個人的な意見です。

ご家族やみくろんさんへの「批判」や、必ずこうした方がいいという「決めつけ」が目的ではありませんので、その点をしっかりご理解の上でお読みいただければ幸いです。

まず、家族と言うのはもちろん親御さんも含まれていますよね。

「家族に黙ってやるわけにもいかない」というのは、なにか深いご事情があってのことと思います。

あくまでも「世間一般の感覚」からすれば、成人なさった男性が起業をするのに、わざわざ親御さんの了承なんて必要ないと思われてしまいますよね。

周囲の人に相談してもなかなか理解が得られず、それも苦しみの一端になられているのではと推察しております。

ましてやご自身の人生の進路について話し合いをするだけで、「猛烈な批判」が出てくるというのは、健全な親子関係とはなかなか言い難いものだと思います。

また「後のこと」を考えると怖くてはじめられないとのこと。

今後もご家族との関係を保ったままで、脱世間起業をしていきたいとお考えということですよね。

このような場合は、できるかぎり前へ進むステップを小さくしていくことが大切だと私は考えています。

「目標は高く、ハードルは低く」です。

そうして少しずつ「新しい現実感」を着実に高めていくことが必要だと思います。

そして、それ以前にとても重要なことが一点。

あなたが望む「前に進む」という「前」とは、いったいどこでしょうか?

あなたの人生がどんな状態になると「前」に進んだことになるのでしょうか?

ご家族に理解してもらい応援してもらいながら、脱世間起業を果たしている状態でしょうか。

たとえご家族との関係を断ってでも、一人で仕事のできる環境を手に入れている状態でしょうか。

ご家族のなかの誰かひとりでも関係を保ちながら、脱世間起業で仕事をしている状態でしょうか。

それともご家族との関係を断たないことを最優先に生きている状態でしょうか。

そのときあなたはどんな仕事をしているでしょうか。

どれくらいの収入を得ていて、どこに住み、周囲には誰がいて、どんな景色の中で暮らしているでしょうか。

その状態を実現したとき、あなたはどんな表情をしているでしょうか。

これらのことを具体的に考えて、あなたの進みたい「前」をハッキリとさせること。

そしてその「前」に進むために、今できるもっとも小さいこと。

そこからはじめるのが「現実的」なのではないかと、私は思います。

世間には、

「親の言うことなんて聞かなくていい」

とか、

「話し合えば必ず理解し合えるよ!」

とか、

「もう大人なんだから自分の好きに行動すればいい」

とアドバイスする人が大勢いますよね。

もちろん、それができれば越したことはないですよね。

でもそれは、じつはとても「大きなステップ」です。

しかも、どこが「前」なのかもハッキリさせないままなされているアドバイスです。

あなたが進みたい「前」が具体的かつ現実感をもった状態で定まらないと、「前」に進んでいるつもりでも、同じところをグルグルグルグルと回ってしまうことになってしまいます。

また「ステップ」が大きすぎて、ぶつかる必要のない障害にもぶつかってしまうでしょう。

先ほどあげた私の質問は、あくまでも例に過ぎません。

あなたが思いつくかぎりの質問を、自分にしてあげてください。

そして自分の答えをじっくり聴いてあげてください。

受け止めてあげてください。

自分自身に徹底的に寄り添ってあげてみてください。

あなたが進みたい「前」はどこなのか?

あなたがあなた自身としっかりと共有できるまで、自分と対話なさってみることをおすすめします。

くり返しますが、これはあくまでも私の個人的な意見です。

この意見をどのように受け取るのか。

ぜひ、あなた自身に聴いてあげてください。